全国の多くのマンションでは、「建物の老朽化」と「住民の高齢化」という“二つの老い”が同時に進んでいます。築40年を超えるマンションは年々増加し、10年後には現在の倍に達すると予測されています。さらに、築40年以上の物件では、住民の半数以上が70歳以上という状況です。
こうした環境の中で、修繕や建て替えの話し合いが進まない、管理組合の役員がなかなか決まらないといった課題が各地で起きています。
法改正で進めやすく
2026年4月施行予定の法律改正では、こうした課題に対応するため、次のような変更が行われます。
- 決議要件の緩和
建て替えや大規模改修の決定に必要な賛成割合を引き下げ、耐震性が不足している場合は従来より少ない賛成数で実施可能にします。 - 再生方法の多様化
建物や敷地の一括売却、一棟全体のリノベーション、取り壊しなど、これまで難しかった方法も多数決で進められるようにします。 - 外部の支援体制強化
管理が行き届かないマンションに対して、裁判所が選任する管理人による運営や、自治体・民間団体による助言・支援が可能になります。
期待される効果
この法改正によって、合意形成がしやすくなり、必要な修繕や建て替えが迅速に進められることが期待されます。また、建物の安全性や資産価値を維持しやすくなるとともに、住みやすい環境の確保にもつながります。
これから大切なこと
制度が整っても、実際に動き出すためには、日ごろからの話し合いと情報共有が欠かせません。「二つの老い」は避けられませんが、早めの検討と行動が、安心して暮らせる未来につながります。

